寺坂真貴子です

弁理士です。

弁理士を使っていただくにあたって

「忌避」ってごぞんじですか?

弁護士さんもそうなのですが、ライバル会社から同時に受任をすることは、どうしても背任行為が含まれてしまうので、行いません。

弁理士法にも「忌避」として「係争の甲と乙の両方から受任するのはいけませんよ」ということが定められています。

これはつまり、たとえ話ですが、ソニーさんの特許出願を代理していたばあい、ナショナルさんの商標出願であっても、将来ソニーさんから異議申し立てを行う可能性があるので、受任できませんよ、ということ。(私個人は本当にソニーさんナショナルさんと取引があるわけではなく、弁理士全体にあてはまるたとえ話です)そうはいっても業界は広いので、気づかないで受任してしまう場合もありますが、片方の事件にもう片方が異議申し立てをする成り行きになれば、弁理士はフタマタにならないよう、すぐに片方を辞任しなければなりません。ひとつの事件を最後までサポートしたいという弁理士の責任感からいうと辛いものです。

こういうことのないよう、ひとつの業界につき1社からしか受任できないと考えてよさそうです。また、現在受任している会社が非常に手広く業務展開していたら、もう他社から受任できる可能性がとても狭まるので、弁理士としてはその手広い1社の専任や、企業内弁理士になるほうが楽かもしれません。

フリーの弁理士

「忌避のため御社からは代理や相談をお受けできません」

という場合もあるかもしれません(私のレベルではまだなさそうですが)は、全く悪意ではないのですが、そういう仕組みがあるので仕方が無いということをご理解ください。