寺坂真貴子です

弁理士です。

一般的な特許に対するトリビア

基本的すぎるかもしれませんが、昔を思い出して、何となく書きたくなったので。

  • 歴史上、「東京特許許可局」が実在したことはないです。「特許局」は明治に実在しました。現在は「特許庁」です。
  • 年間40万件の出願のうち1/3程度が特許になっています。すごい件数です。40万件、全部、ちゃんと人力で審査をやっています。(実用新案は別です)
  • 特許をとりたければ、文章で表して特許庁に提出する必要があります。実物サンプルを提出してはいけません。
  • 年間13万件の特許もいつかだれかが一生懸命書いたものなわけだけど、ものすごい細かくて普通の人が読んだだけじゃわからないものが多いです。大部分は企業の研究開発担当者が書いています。
  • 「専売特許」も「十八番」くらいの意味で一人歩きしてるけれど、ホントに特許をうけられる発明とはその方が最初に考えついたというだけではなく「自然法則を利用」して、「産業に利用できる」ものでなければいけません。
  • 普通、「新しい発明」ときくとどんなドラマチックな表現だろうと思ってしまうものですが、実は技術の斬新さと、それを文章にしたときのドラマチックは、まったく、比例しません。むしろ、全く新しい発明を文章にすると、書いた時点では「だれにも、なにが書いてあるのかよくわからない」文章になります。マーケティングが全くなされていないからです。ただ、知らない技術の文書は読みづらいけれど、身近にあつかっている分野ならば、これほどエキサイティングな文章のレスリングってのはないんじゃないかってくらいおもしろいのが人間の不思議なところです。