寺坂真貴子です

弁理士です。

役人廃業

面白いものを見つけた。役人廃業というページ。
http://www.yakuninhaigyo.com/index.html
ちょっと読んだけれど、若年向け、男性向け、ステップアップ転職が前提みたいなので硬い硬い。エリート臭がぷんぷんするぜえ!(ポルナレフ風)
みんな正直に言えばいいのに。別に子供のころからお花屋さんがやりたかったから辞めたのでもいいじゃん。ゲーオタで平日昼間のサーバー軽い時間帯にMMOをやりまくり攻略やRMTをもとめて2ちゃんにいりびたりたかったでもいいと思う。

体験の中では先生は「言論の自由が欲しい」といっていたのがわかりやすかった。自由。それがないのが公務員。
副業禁止は普通のサラリーマンにもありえるけれど、株も買えない、政治運動もできない。社会に対して本業以外のやり方で関与することを一切認められていない公務員。でも、今の世の中、主婦もホームページつくって主張する情報化社会であって、お金を出せばすなわち消費者社会である。
お金の使い方ひとつとったって、どうしても自分の個人的な意志は出る。それにいちいちおびえなきゃいけない理由なんてないはずだ。国民には逆にk401みたいな投資を煽っている時代なのだから。もっと自由に社会活動にかかわっていいはずだし、その中にはまっとうな投資、まっとうな政策批判(もともとの責任者は政治家なのだから)などもあっていいはず。だけど梨下に冠を正さずとの大臣の号令下、組合がぶつぶついう程度でみんな黙って従う。
どんなに下手な政策でも、同業者、後輩、先輩、上司がかかわってると思うだけで批判できない・・・と萎縮するのはおかしい。いいたいけれど言えない雰囲気。

体験談を見ると、奥歯にもののはさまったような「周りは優秀だった(自分も平均以上だった)」という話ばかりを掲載、サイトの方針としては安易な転職、逃げの廃業を煽りたくないというのだ。そんなにやむをえない転職なら、家のものがよっぽどひどい重病にかかって介護生活したのかと思うと、転職してお金が増えた減った成功失敗というばかりで、個人的な事情はほとんどでてこない。だれでもおかしいとわかる、まだ公務員の尾っぽをひきずってるとしか思えない。自慢したくないふりして自慢したいか、よっぽど強欲か怖がりなのだ。元公務員として残した同僚を気遣う気持ち、残した同僚に体験談を読まれて身元を特定されたくない気持ちはよくわかる。けれど、「自分がいないと(悪口をいうと)残された人々がたちゆかない」といまだに考えていること、それ自体が転職の障害になるとしつこく指摘されている「沁み付いた役人根性」なんじゃないかな。いわゆる粘着気質。
もっと個人を切り離して、融通無碍に、要領よく、生きていこうじゃないか。そうしたら案外、逆に、今の職場が楽にやっていけることに気づくかもしれないし、やっぱり自分はおなじ部品でも、別の職場の部品になるべきだと客観的な視点が得られることもあるだろう。それは状況によりそれぞれだ。
読者(賢い人)の心なんてそんなみみっちい書き方では変えられないよ。
職業選択の自由言論の自由、そんなもの公務員だって日本憲法の段階から持ってる。私は、公務員に、狭い職務にしばられるな、と言ってやりたい。狭い職務や上司や省益に縛られるから、縦割り行政とか悪政が生まれるのだと思う。世間はみんなたいしたことない脳みそをたどたどしい英語でつきあわせてでも、ガスクフォースチームでブレインストームでISOでグローバルスタンダードで働いて成果をあげてくる。上司の形だけに過剰に適応してみせて「自分は理不尽なことに対してよく耐えた」と自己評価する風通しの悪い公務員なんか、置いていかれちゃうぞ。ていうかまあ、政治家と法律の出来が悪けりゃオジャンなんですけどね、結局のところは。よくまあ、毎年毎年、ちまちました抜本的でない制度改正の種出してくるよな>上の人。連結決算も外国への外注もできないんじゃしょうがないか。
組合はがんばってるところもあるよ。

というわけでやりたい放題を提示することで、成熟社会で天職を得られないまま働く下の人も減るんじゃないかなと思って書いてます。

なお、一般的な退職(公務員は辞職)・転職のもろもろについては「退職届けを胸に」などの転職ノウハウページのほうが詳しいみたい。公務員の失業保険とか、公務員の辞め方とか独特のコンテンツをそれに上乗せする形で読んだほうがわかりやすいと思う。